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ネジヒナ小話「実は・・・」

拍手ありがとうございます^^
今日、ふとネタが浮かんだので
ネジヒナ小話など。
続きより



「実は・・・」
20150208.jpg

ようやく終わった、と、ネジは溜息をついた。
「ヒナタ様・・・」
ずっと幼いころから愛してきた女性。
誰よりも恋しいその人が、今、ほかの男の
花嫁となった。胸が切なく痛む。

たくさんの仲間に祝福されて、幸せに輝く
恋しいヒナタと、その花婿。
そして、それを離れた場所から見ているネジに
誰も気づかない。いや、それでいいのだ。
嫉妬と絶望にかられたこの隠し切れない
想いは、きっと表情に出てしまっているだろう。
たとえ、ポーカーフェイスの自分でも隠し切れない。
(失格だな・・・エリートの名が泣く・・・)
幼いころから天才と謳われたネジなのに。
若くして、世間に認められ、実力派と知られていた。
そんな自分が、たった一人の、正直、おちこぼれと
今でもいわれているヒナタに、ここまで翻弄されるとは。

ぼんやりしていたネジの目の前で
「とうちゃん!」とはしゃぐ子供の姿がうつった。
そこは、家庭団らん。時間がすすんだのか
母親になったヒナタと、その夫が可愛いこどもに
囲まれてしあわせそうにしている。
かつて、はにかみやで、おどおどしていたヒナタは
そこにはいない。違和感をおぼえるほどに
妙にはしゃいている母親にみえた。

(ぶざまな!)

一瞬、ネジの眉間にしわがよる。
だが、ラストなのだ。大目にみるしかない。
たとえ、ヒナタがどうであろうと、出番のない
ネジに文句を言える筋合いはない。

苦痛に悶々としているネジの耳にようやく
天の救い、もとい天国の鐘がきこえた。

「はい、カーット!お疲れ様!」

と、一斉に現場は、芝居をといて
ワイワイとにぎやかな雑音でいっぱいになる。

「お疲れ、ヒナタ!いい演技だったってばよ!」
「あ、ありがとう、ナルト君…」
主役のナルトが、相手役のヒナタをいたわり
ねぎらいの言葉をかける様子をネジは見守った。
主役にあこがれ、今回の映画でヒロインに抜擢されていた
ヒナタは、緊張のし通しで、普段から演技が下手だったが
今回も正直、監督のゴリ押しがなければ、採用されないほど
まあ、ひどかった・・・
だが、口うるさい従兄だと、これ以上ヒナタに嫌われたくない
ネジは、口を引き結び、演技にたいする小言をのみこんだ。
そして、スタッフにまぎれていたその場所から、ヒナタの
そばへと歩を進める。
するとネジに気付いたヒナタの顔が、パッと輝いた。

「ネジ兄さん!!」

ひしっ と、ネジにすがりつき、きゅうっと抱き着いてくる。
そのヒナタの行動に、ネジはたじろぎ、慌てて赤面した。

「ど、どうしたんだ?ヒナタ様っ」

珍しくどもるネジ。だがヒナタは自分の気持ちでいっぱいで
それに気づく余裕がない。ただただ、ネジが恋しくて
抱きしめるばかり。

「うそだろ、クールなネジが、ゆでだこみたいに
真っ赤になってるってばよ・・・」
二人の様子を見て、ナルトがぽかんと呆けにとられていた。
「あいつ、演劇界で名門の日向家始まって以来の
天才俳優だから、同じ名門なのにおちこぼれのヒナタを
馬鹿にしてなかったか?」
ナルトの問いかけに、脇役のシカマルが
「めんどくせぇ・・・気づけよ、ナルト。あいつ
ヒナタに惚れてるんだぜ?子役時代から」と
答えた。
それに、うんうんと頷く、他の出演者たち。
知らぬはナルトのみで、彼は、まじで?と
大げさに驚いていた。

そんな周囲に、あたたかく見守られてるとも知らず
ヒナタは無事大役を終えた感激で、興奮し
泣きじゃくりながら、ネジへとねだった。

「や、約束ですよね?わ、私が無事、ちゃんと
日向一族に恥をかかせないよう・・・この映画の
ヒロインをやり通せたら・・・・・・っ」

「え・・・あっ?!」

しどろもどろに焦るネジに、健気なヒナタが
愛らしいまなざしで、すがるように見つめてくる。

「・・・してくれるって・・・っ…ネジ兄さん・・・
私を・・・本当の女優にしてくれるって・・・っ」

「あ、そ、それは・・・っ」

酒の席で、セクハラまがいのことを
それもいやらしく、耳元に息を吹きかけるように
言った・・・ような気がする。

「あれは、ち、違うんだ、そんなこと
あなたにできるわけないだろう?!」

「約束ですっ」

ひしっとネジに抱き着き、きゅうと服をつかむ
ヒナタが、子猫のように可愛くて、ネジは理性が
吹き飛びそうになる。

だが、なけなしの理性をかき集め、彼は
ヒナタを引きはがすと、軽く咳払いをして言った。

「俺は、俳優だから、演技なら、仕事なら
どんな役でもこなす。だが、プライベートは
簡単に安売りしないんだ。」

ぼんやりそれをきいていたヒナタが
夢見るように口を開いた。

「演技じゃないの。ずっと、ずっと
ネジ兄さんが好きだったの・・・
このお芝居で・・・ネジ兄さんが死ぬ
シーンで、それがわかったの・・・
もう、私、これ以上、他のひとを好きな
演技なんて耐えられないっ
おちこぼれでいいの・・・もうお芝居は
いや・・・本当に好きな人と初めての
キスをしたかったんだもん・・・っ」

ふえっ、と泣きだすヒナタ。

オレ、悪者かよ、と、演技でヒナタと
キスしたナルトが遠くから残念な顔をした。

「だって、あなたはナルトが好きなんだと
ばかり・・・そんな・・・まさかっ」

だったら、早く言ってくれれば、記念すべき
初キスは俺が奪ったのに!!

と、ネジはぎりぎりと奥歯をかんだ。
そうして、長年抱きつつも、言うに言えなかった
言葉を、真実を彼はヒナタの肩をつかんで
声にした。

「あなたは女優に向いていない。それよりも
俺の恋人になって、俺の花嫁になって
俺と一緒に生きてほしい。」

監督に男色の相手に誘われ、それを断った結果
端役にされた挙句、役柄も突然死でフェードアウト
されてしまった天才俳優、ネジの

ネジに対する監督の嫌がらせから、演技力もなく
いきなり脇役からゴリ押しでヒロインにされてしまった
ヒナタへの

一世一代のプロポーズに、現場は拍手喝さいを送り
監督だけが、くやしさにハンカチを食いちぎっていた。

「ヒナタ様、いいですか?」
ひざまずき、王子様のようにプロポーズするネジに
ヒナタは心からの笑みを浮かべる。
「はい、ネジ兄さんっ」

「元々、日向は舞台がメインなのだ。もう、映画も
テレビもいいだろう。」
映画でいいとこなしの役をやらされて鬱憤のたまってた
日向一族の総長ヒアシも、愛娘と甥の微笑ましい
愛の奇跡を見て、満足げに口元をゆるめた。

実は
こんな舞台裏があったことなど
映画をみた観客は知らない。

けれど、実は
都内の大きな屋敷で
幸せそうに夫のネジのために
主婦しているヒナタがいたりするのであった。


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